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最新病院内設備・治療 紹介 |

第3回 ICU導入記 |
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少し前ですが、ICUユニットを新しくしました。 ICUとは、動物に高濃度の酸素を供給する装置です。 人は、おとなしく酸素を嗅いでくれますが、動物は、そうはいきません。動きますから。 そこで、ボックスの中に酸素を満たし、中の温度や湿度も管理してくれます。 以前より、ICUはあったのですが、かなり古いもので、一番の問題は、酸素を注入する場所が、大きく、ICU内の動物の様子が見づらいことが問題でした。 今回は、透明部分が大きく、よく中が見えます。 以前より、変えなくてはと思っていた設備ですが、昨年、ついに欲しい機能がついたICUが発売され、導入することになりました。 |
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さて、欲しかった機能とは、炭酸ガスの除去装置です。ICUは酸素が、高濃度になるように設計されているのですが、酸素が高濃度なら、動物が楽になるわけではありません。 炭酸ガスの濃度が高いから苦しいのであって、ICUの装置は、酸素を高くするより炭酸ガスの濃度を低くする事が重要です。 今までは、炭酸ガスに注目した装置は皆無で、やっとでた炭酸ガス除去機能を搭載したしたICUなのです。 |
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裏から見たICUです。ここに炭酸ガスの吸着するものが入っていまして、中の炭酸ガスを減らします。 この装置で、動物の苦しさが少しでも減ったらいいなと思います。 実は、炭酸ガスを低くする事が、ICUにとって一番大事なことだと、最も僕の尊敬する岡山で開業されている獣医師に教えてもらったのです。それからは、炭酸ガスに注目してICUを探すようになりました。 |
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今回のICUには、酸素発生装置もついています。 酸素は買うと、値段が高く、ICUを気軽に使えない弱点もありました。 今後は、酸素をある程度自由に使えますので、手術のあと十分に麻酔から醒めるまで酸素室に入れておくといった使用が可能となりました。 おかげで、重症な動物だけでなく、手術の安全性も高まったと言えそうです。 |
ICUを使うとき |
本音を言えば、あまり使いたくない装置です。 なぜなら、一般的には状態の悪い動物のために使用するからです。 上で書かせてもらったように、酸素発生装置により、必ずしも状態の悪い動物に使用するわけではないのですが、 やはり心配な動物たちのためのものである事は間違いありません。 そのため、診察室からも良く見える場所にあるのです。
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病院の施設の改革記 |
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第2回 マイクロチップの導入記 |
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近年、海外旅行に出かける方も増えたと思います。 ボーダーレスの時代になり、動物の移住に対しても 法律が変わり、大きな変化を向かえました。 我々もその対応の一環としてマイクロチップの導入を 行い、時代の流れに対応することにいたしました。 海外では、マイクロチップ挿入に対して 法整備されている地域もあり、 日本でもその流れを追従していくものと思われます。
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日本では、国内で約25%程度の病院でしか マイクロチップが導入されていないようです。 しかも、保健所などの公共の設備にも、 導入は、まだ完全でないようです。 もっと導入が進むことにより マイクロチップで飼い主が不明の動物が 減るのみでなく、 もし迷子になってしまったら、 簡単に見つけ出すことが可能になります。 迷子札よりも確実なものになるでしょう。 |
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マイクロチップの利点とは? |
上の2点の写真は、マイクロチップの読み取り機とチップです。 今のところ、迷子札の代わりといったことや 海外へ動物を連れ出すために必要なものという意味合いが強いものです。 (もし海外へ連れて行くときに初めてマイクロチップを埋めようとすると、 狂犬病の注射のからみにより最低3ヶ月はかかります) 当院ではその利点をもっと生かすために、体温測定つきのチップを導入しました。 それにより、簡単な体温測定が可能になり、日常の健康診断に役に立たせる ことが可能となります。 また、動物の保険に特約がつくものもあります。 いずれにせよ、マイクロチップがもっと広がり、 多くの動物が幸せになることを祈っています。 動物愛護の観点からも、これからどういう方向に日本が進んでいくかも楽しみです。
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第1回 デジタルレントゲン導入記 |
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当病院にデジタルレントゲンを導入しました。 デジタルの最大のメリットは、その撮影までの時間です。 今までは、レントゲンといえば、 撮影、その後現像まで約6分かかっていました。 レントゲンは、必ず2方向から撮影するのが基本であるため、 12分かかります。 もし、胸部と腹部を同時に撮影するなら、 なんと30分近くかかる計算になります。 さらに、レントゲンの現像に人が取られてしまうため、 撮影中の患者さんだけでなく、 診察を待っている患者さんにも迷惑をかけていました。 こららの最大の解決点、それがデジタルレントゲンでした。 |
1.デジタルレントゲン導入のメリット その1 |
デジタルレントゲンのメリットは、上記の通り時間の短縮にあります。 また、全てのデータを瞬時に取り出せるために、過去のレントゲンとの比較が簡単です。 様々なレントゲンを同時に表示できるため、比較ができます。写真は4分割表示ですが、もっと多くの分割もできます。 第1診察室には、レントゲン専用の白黒モニターを装備し、詳細なレントゲンの観察が可能です。 この白黒モニターは、値段が高いものなのですが、心臓病に力を入れたいため、導入しました。 (心肺の写りが鮮明で、専用モニターの価値は高いです)
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2.デジタルレントゲンのメリット その2 |
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メリットは時間の短縮だけではなく、その他の様々な編集機能にあります。 条件は様々に変えられるために、いろいろな条件で見ることができます。 たとえば、胸のレントゲン1枚でも、肺をよく見られるようにしたり、肋骨を観察したり条件を変えながら観察します。 いろいろと条件を変えてみていると、レントゲンはついに、動画になったような気さえしてきます。 写真にあるように、一部の拡大も簡単で、気になる場所は、徹底的に観察できます。
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デジタル化により、レントゲンでもっといろいろなことができるようになります。 拡大はもちろんなのですが、左の写真のように色を変えることが可能です。 これは、白黒反転の機能なのですが、バリウムなどの造影検査のときに重宝しています。 さらに、写真上で長さなど測定できますので、大きさを客観的に評価できて便利です。
いろいろ書きましたが、要は普通のカメラがデジタルカメラになったようなものと考えてください。 写真を撮ったら、店に行かず自宅でプリントできるようになったし、写真もセピア色にするなど編集も簡単になりました。 レントゲンで同様のことができるようになったということです。 |
これから |
このレントゲンシステムは、RFsystemという会社のものです。 レントゲンのデジタル化は、考えていたのですが、まだ、肺の映り方に不満があり、導入を見合わせていました。 ただ、名古屋の学会に行ったとき、実際にショールームにて実物をみて惚れてしまい導入したという経過です。 導入してまだ月日は経っていないのですが、想像以上に使いやすく、多くの病気を見つけてくれました。 このシステムの導入とともに、診察も変化し、これからどれだけの命を救ってくれるのだろうと思います。 もちろんハードの進化(機械の進化)だけでなく、ソフトの進化(自分の診断技術)の向上も大事な要素です。 自分自身をもっと高めていかなくてはと思うと身が引き締まります。 |


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